障害者の 真のリプレゼンテーション
変革への進歩に取り組むと決めた企業のための主要原則
(和訳協力:SOLIT、Valuable 500 ディレクトリーメンバー)
障害者を取り巻く状況は複雑で、常に変化しており、障害の種類、アイデンティティ、アクセスのニーズ、使用言語は多岐にわたります。多くの企業にとって、どこから始めればよいか分からず、「間違える」のではないかという不安から、何も行動を起こせなくなることがあります。しかし、何もしないことの代償は大きく、ビジネスチャンスを逃すことや、障害当事者やそのコミュニティを排除する現状を維持してしまうことにもつながります。
そこで、私たちはこの現状に対して明確な指針の必要性を認識し、多様な障害に関するアドボカシー組織や専門家のグループと協力し、「障害者の真のリプレゼンテーション」を定義し、業界や地域を超えて適用できる主要原則の概要を示しました。
これは、それぞれ組織が「障害者の真のリプレゼンテーション」に関する旅路の中でどの段階にいても適応することのできる柔軟なアプローチとなっています。この中で鍵となるものは、障害当事者のコミュニティと連携してコミットし、意図的に行動を起こし、それらを継続的に改善するということです。
ろうの黒人男性が、手話をしながら微笑み、遠くの何かを見ています。写真は、障害者の無料写真ストックサービス「Disabled and Here 」の グリッチェル・フォレスゴン氏によるものです。
私たちの「障害者の真のリプレゼンテーション」の定義
私たちの「障害者の真のリプレゼンテーション」の定義は、障害当事者コミュニティの豊かな多様性と交差性を反映しています。障害当事者の実体験、多面的なアイデンティティ、アクセス ニーズを、敬意を持ち、力づける方法で取り上げています。この定義は、コミュニティ内での言語や障害モデルに関する意見の相違を認識しつつ、「障害者の真のリプレゼンテーション」の取り組みを導くための共通理解を促進することを目的としています。
真のリプレゼンテーションとは、あらゆるメディア、コミュニケーション、消費者との接点において、「障害」を体系的かつ真摯に表現することです。これを実現するには、障害のある従業員を採用し、サポートし、プロセスのあらゆる段階で進歩する機会を与える必要があります。
真のリプレゼンテーションとは、障害のある人材を正確にキャスティングし、障害当事者コミュニティと物語を協働して紡ぎ、既存の固定観念や言葉のあやを超越することを意味します。また、企画段階から当事者を巻き込んだ包摂的なデザイン手法を組み込んで、製品、サービス、顧客および従業員の体験を最初からアクセス可能かつ包摂的なものにすることで、障害のある顧客のニーズを満たすことも意味します。
シリコンで覆われた義足をつけた黒人女性が木の下に立っている。写真はチョナ・カシンガーが障害者の無料写真ストックサービス「Disabled and Here」のために撮影した写真。
障害者の真のリプレゼンテーションのための主要原則
障害に関するアドボカシー組織や専門家の多様なワーキング グループが参加する共同作業を通じて開発されたこの「障害者の真のリプレゼンテーションのための主要原則」は、社内外で障害者のリプレゼンテーションを推進することに取り組んでいる組織にとって、出発点および指針となる枠組みとして役立ちます。もはや、「認識」の段階から「行動」に移す時が来ており、これらの原則はまさに行動に起こすためのロードマップとなっています。
黒人で先住民の自閉症の人が感覚玩具を使用する様子。チョナ・カシンガーが障害者の無料写真ストックサービス「Disabled and Here」のために撮影した写真。