会社の起源

株式会社ミライロは、2010年に設立されました。創業者であり代表の垣内俊哉は、生まれつき骨が弱く、幼少期から車いす生活を送っていました。この経験が、彼に障害者に対する深い理解をもたらし、ユニバーサルデザインの重要性を痛感させる原動力となりました。「バリア(障害)をバリュー(価値)に変える」という企業理念のもと、障害がある人々が直面するさまざまなバリアを取り除き、誰もが快適に生活できる社会を実現することを目指しています。このビジョンは、会社設立の根幹を成す理念となり、ミライロのすべての活動において中心的な役割を果たしています。

事業内容

ミライロは、多様性―国籍、性別、年齢、身体的特徴、能力の違いを強みへと変え、新たな価値を創造することを目指しています。私たちは、建築物、製品、サービス、コミュニケーションなど、様々な分野におけるバリアを取り除くためのコンサルティングサービスを提供しています。

社会には、「環境」「意識」「情報」という3つのバリアが存在すると考えており、これらを解消するために、革新的なソリューションを展開しています。環境のバリアについては、誰もが快適に利用できる施設や製品の設計・監修を行っています。意識のバリアに対しては、ユニバーサルマナー検定を通じて障害者や高齢者との接し方やコミュニケーション方法を啓発・教育しています。そして、情報のバリアについては、聴覚・言語障害者向けのコミュニケーション方法の確立や、デジタル障害者手帳である「ミライロID」の開発・運用を行っています。

 

 

障害者排除の解消における重要性

ミライロは、障害を単なる障壁としてではなく、社会の中で価値を生み出す要素と捉えています。この考え方は、私たちの理念「バリアをバリューに変える」に明確に表れています。私たちは、障害やトラウマを克服するのではなく、それを活かすことで、誰もが自分の色を描ける未来をデザインすることを目指しています。このアプローチは、社会全体の包括性を高め、障害者の排除を解消する重要な一歩となります。

私たちは、障害のある人々が自身の能力を最大限に発揮できる環境を整えることが、社会の発展にとって欠かせない要素であると信じています。障害者が社会に参加し、貢献することで、多様性が生まれ、より豊かな社会が実現します。このような理念に基づき、ミライロは事業を展開し続けます。

特別な強み

垣内自身が障害者であることから、当事者の視点を持ちながらユニバーサルデザインを推進しています。この点が、ミライロの強みとなり、クライアントとの信頼関係を構築する要素となっています。私たちは、当事者の声を大切にし、実効性のある解決策を提供することに努めています。

また、当社のチームには、様々なバックグラウンドを持つ専門家が揃っており、多角的なアプローチが可能です。私たちは、ユニバーサルデザインの専門知識だけでなく、プロジェクトマネジメント、コミュニケーションスキル、社会学的視点などを取り入れ、最適なソリューションを提供しています。

ミライロの活動事例

ミライロは、クライアントと連携し、公共施設のバリアフリー化を推進しています。プロジェクトの初期段階では、利用者との綿密な対話を通じて意見を収集し、具体的な改善策を提案。その後、現場での詳細な調査を行い、専門的な知見を活かした実用的なソリューションを実施します。

この取り組みにより、クライアントは施設をより多くの人々にとって使いやすくすることができ、結果としてより広範な利用者層を獲得しています。こうした事例は、ミライロ の提供する価値を実証するものであり、ユニバーサルデザインの重要性を社会全体に広めるきっかけとなっています。

 

事例:アートへの公平なアクセスの実現

東京都美術館が掲げる、すべての人に開かれた「アートの入口」という理念を支援し、バリアフリーガイドの作成に携わりました。このガイドは、複雑な館内レイアウトを分かりやすく示すマップを掲載し、訪問者が迷わず館内を移動できるよう設計されています。

さらに、館内にある12カ所の車椅子対応トイレの詳細な情報も提供し、利用者が最適な施設を見つけやすくなるよう配慮されています。この取り組みにより、美術館をより多くの人が快適に楽しめる空間へとサポートいたしました。

 

東京都美術館の事例紹介はこちら

ミライロIDの導入の背景

ミライロが開発・運営するデジタル障害者手帳「ミライロID」は、障害者と企業をつなぐ重要な役割を果たしています。このアプリにより、障害者が公共の場やサービスを利用する際に必要な支援をスムーズに受けられるようになりました。

はじめは6社へ導入され、着実に利用者と導入企業を増やしてきました。

現在、導入事業者数は4,100社を超え、ユーザー数も40万人を超えました。特に注目すべきは、障害者の割引制度がなかった企業にもミライロIDが導入されたことです。これは私たちの当初の想定を上回る成果であり、最初に描いていた景色とは異なる新たな展開を迎えています。

ミライロIDは障害者の生活を支えるだけでなく、企業にとっても有益なツールとなりつつあります。今後も機能の拡充を進め、さらなる企業や自治体との連携を図り、インクルーシブな社会の実現を目指していきます。

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